中古マンションの引き渡しが1年後でも売れる可能性はあるが…

中古マンションの引き渡しが
1年後でも売れる可能性はあるが…

住み替えにより、
今住んでいる中古マンションを
売りたい場合がいつか起こります。

引越し準備やらなにやらで
引き渡しが1年後になるという
ケースも出てくるかもしれません。

その期間は遅いのかちょうどいいのか、
はたまた売れるものなのか。

気になることが多いと思いますので
参考にしていただければ幸いです(^^)/

・引き渡しがかなり先でも売れる?

中古マンションの引き渡しには、
現居を変えるシンプルな住み替え理由から
仕事や健康、不動産投資など様々です。

売れたらすぐ引き渡すのが通例ですが、
そうできない事情も多くあります。

仮住まいは嫌だから、
ちゃんとした新居を用意してから
移りたいという理由も多いかもしれません。

予め準備しておけば期間は短くて済みますが、
なかなか良い物件が見つからなかったりすると
引き渡しが1年後とかになるケースもあります。

他には単に早く売りたいという理由だけで
引き渡しは1年後という条件を
つけたいのかもしれません。

いずれにしろ、引き渡すまでの期間が
長くなるケースも往々にしてあります。

では、そういう物件は
そもそも売れるのかというと…

売れないことはないですが
厳しいというのが現状です。

買い主の立場で考えた場合、
通常の感覚では買ったものは自分のものだから
すぐに使える(住める)のは当たり前のことです。

なので余程の付加価値が付いていないと
買い手はなかなか現れないのです。

付加価値の代表例は価格です!

引き渡しが1年後といった厳しい条件がある以上、
それなりの対価が必要になります。

最も重要な要素といえばお金ですよね。

そういう厳しい条件の物件の場合、
なかなか売れないのは
お金が理由の場合が多いです。

売り主側としては高く売りたいと思いますが
買い主側としては安く買いたいと思うもの。

引き渡しが1年以上先となったらなおさらで、
どんなに高いとしても適正価格でないと厳しいです。

要は相場から逸脱しないということです。

おそらく不動産会社に相談しても
かなり厳しいと諭されると思います。

ただでさえ中古マンションという
新築よりもともと不利な条件が付いています。

そんな厳しい現状を打破する為には、
余程よい条件(付加価値)がないといけません。

例えば、タワーマンション最上階など
見晴らしがとても良い部屋とか、
立地(利便性)がものすごく良いとか、
プレミアがついてる部屋とか、
リノベーション済みとかです。

そういったレア物件は
手に入れることすら難しいので
余程の条件と思っておきましょう。

もちろん、そういった付加価値がなくても
売れる可能性は0ではありませんので
売却活動を始めるのは有りです。

オークションと同じで、
出さないと絶対売れないわけですので…

・引き渡すまでの注意点はたくさん

また、引き渡し日まで長期間かかる場合、
覚えておかないといけない注意点が
いくつかあります。

それも考慮した上で引き渡し日を
検討しないといけません。

*金利適用のタイミング

買い主のほぼ全員は
住宅ローンを利用することになります。

住宅ローンには金利がつきますが、
そのタイミングがミソ。

売買が成立した時点ではなく、
融資が実行された時なのです。

今年の3月が0.4%だとしても
来年の3月は何%かはわかりません。

もし、金利が上昇していたら
買い主はキャンセルしたくなる恐れがあります。

契約解除すると違約金が発生しますが、
それを払ってでもしたい人も中にはいます。

違約金の相場は10%ほどですが、
不動産価格を考えると安くなります。

それはそれで儲かるのですが、
本来の目的である住み替えができない、
もしくは不動産投資としては
利益が少ないことになり本末転倒です。

*危険負担の可能性が高まる

売買契約から引き渡しまでの期間中に
自然災害や放火などの事態が発生した場合、
売り主が責任を負うことになっています。

これは民法で規定されています。

原則としては売買契約が成立すると
買い主の負担になるのですが、
不動産の場合は特約という例外扱いです。

日本は諸外国と比べて犯罪は少ないものの、
自然災害は多い国です。

地震や台風は顕著な例です。
海や火山に近い地域だとさらにリスキーです。

もし、それらの影響で建物が損壊し、
使えなくなったとしたら、
手付金を買い主に返さないと行けない上に
話はふりだしに戻ってしまいます。

*善良な管理者の注意義務

売り主は現状維持に注意しながら
生活しないといけない義務のことです。

略して善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)
といいます。

すでに売買契約が成立したのをいいことに、
煩雑な生活をしていると…
最悪、契約解除になるかもしれません。

そこまでいかなくても無用なトラブルを
招くことになります。

手続きを済ませたとしても、
引き渡すまでが本当の契約完了と思って
生活するようにしましょう。

*その他のリスク

その他にも引き渡すまで長引くと
以下のような理由で契約解除に
発展する可能性が高くなります。

急な転勤は今の時代もありますし、
解雇や給与減、倒産といったこと、
病気による長期入院や死亡だってありえます。

まとめると、
引き渡し日が後になればなるほど
リスクが高くなるということです。

また、不動産会社からしてみても
売れにくい物件ですから、
積極的に販売活動をしてくれない
可能性だってあります。

以上のリスクを踏まえつつ、
1年後の引き渡しでいいのかを
再考してみてほしいと思います。