「真実だけを語る―不動産業界の光と影」正直不動産の考察~1巻~

不動産業界での二十年以上にわたるキャリアを通じて、
私は多くの変化と挑戦を経験してきました。

この業界では、顧客との信頼関係が何よりも重要であるにもかかわらず、
時としてその信頼を損ねるような行動が横行しているのが現状です。

今回は、そんな不動産業界の一筋の光として現れた「正直不動産」の話を、
私の感じたことや感想を織り交ぜながら、シリーズでお届けしたいと思います。

序章:不動産業界の不都合な真実

不動産業界は、長い間、顧客に対して不完全な情報、時には明確な虚偽の情報を提供して契約を促進してきました。この章では、そうした実態に焦点を当て、具体的な事例を交えながら解説します。

 

第1章:虚偽の契約 – 一般人が直面する現実

多くの消費者は、生涯に数回の大きな取引の一つとして不動産契約に臨みます。しかし、契約時に提供される情報が不完全であることがしばしばあり、後に大きな問題となるケースを紹介します。

 

第2章:「正直不動産」の誕生

主人公・永瀬が偶然の事故から嘘をつけなくなり、業界で孤立無援となりながらも、真実を語り続けることで顧客からの信頼を勝ち取っていく過程を追います。この新しいアプローチが、彼のキャリアだけでなく、業界に対する顧客の見方にどのような変化をもたらしたかを詳しく解説します。

嘘がつけなくなった不動産営業

以前、家を借りに行った際、ある有名な不動産会社で
「他にも良い物件が見つかればキャンセル可能ですので、
今はこれで仮押さえの契約をしましょう」と言われて契約しました。

その後、別の物件に変更したのですが、
「本当にキャンセルできるのか?」と
不安に感じながらサインしたことを覚えています。

そう言いつつキャンセルすること自体、
問題があるように思いましたが、知識がなかったためその時は理解できませんでした。

この「正直不動産」は、不動産業界を描いた珍しいマンガです。

主人公・永瀬は、今まで虚偽の情報で契約を取ってきた営業マンでした。
不動産業界には真実を言うことが少ないとされる
「千に三つ」の言葉があり、多くが嘘で成り立っているそうです。

永瀬も例外ではなく、情報を隠したり、言い回しを変えたりと、
限界ギリギリの方法で契約をしていました。

しかし、ある日、石碑を破壊したことで祟りを受け、
嘘がつけなくなってしまいます。本音を言うたびに顧客や周囲を怒らせてしまい、
業界での立場を考え退職も考えましたが、
真実を伝えることで逆に信頼を得られ、
正直不動産として新たなスタートを切る決心をします。

第3章:法律と現実の間で – 業界のグレーゾーン

この章では、不動産取引における法的枠組みと実際の業務実態のギャップに焦点を当てます。仲介手数料の問題、キャンセルポリシー、そして業界での不正行為の事例を詳しく見ていき、法律改正が業界にどのような影響を与えるかを探ります。

嘘まみれの不動産業界

生活に必要な衣食住の中で、
住宅についての知識は意外と乏しいものです。

家を借りる、買うことは人生でそう多くありません。
多くの人が不動産業者に依存し、結果的に騙されることがあります。

この問題に対処すべく、法律が制定されたものの、
完全には実施されず、グレーな部分が残っています。

仲介手数料も本来は半月分で足りるはずが、
ほとんどの場合一ヶ月分支払わされています。

マンガの中では、
顧客に合わせた仕込みが行われている場面も描かれており、
我々が気づかない間に行われているという恐ろしい現実が描かれています。

終章:メディアによる変革 – ドラマ化が影響する業界の未来

NHKでのドラマ化により、不動産業界は新たな注目を浴びるようになりました。メディアの力がどのように業界のイメージや実態に影響を与え、消費者の権利がどのように保護されるようになったかを探ります。また、ドラマが消費者の不動産会社に対する期待をどのように変えたかも考察します。

ドラマ化で正直不動産が増えるといいな

このマンガはNHKでドラマ化され、好評を博しました。

2024年1月からはSeason2がスタートしています。

医療や刑事ものが多い中で不動産をテーマにしたドラマは珍しく、
ドラマチックな要素を加えるのは難しいかもしれません。

ドラマを通じて不動産業界の内情が明らかになり、
より正直に真摯に対応しないと見向きもされない時代に突入すると
信じてます。