中古マンションを売るのに重要なポイントとなるインスペクション

中古マンションを売るのに
重要なポイントとなるインスペクション

中古マンションに必ずつきまとう
問題のひとつに老朽化があります。

 

新しめの物件ならまだしも、
そうじゃないところの方が多く、
中には痛みがひどい物件も多々あります。

 

そのような不安を払拭するために
重要となるのがインスペクションです。

 

今のところ実施は任意ですが
日本全体の住宅築年数が
年々上がっていることから
重要度が増してくると予想されます。

 

いつどうなってもいいように
いまのうちに基礎知識を
身につけておきましょう!

・インスペクションの概要

そもそもインスペクションとは何かというと、
住宅診断、住宅検査のことです

 

その建物に不具合がないか
専門家が調査するのです。

 

専門家とは、
既存住宅状況調査技術者講習
という長い名前の講習を修了した
建築士のことでインスペクターとも言われます。

住宅の不具合は多岐にわたります。

 

雨漏りや水漏れがないか、
水道設備の健全性、
柱や梁などに腐食やひび割れがないかなどです。

なお、隅から隅まで調査するわけではなく、
家を壊さないで目視・触診できる範囲で行われます。

 

インスペクションを行うことにより、
売り主、買い主双方にメリットがあります。

売り主側はインスペクションしましたよ!
という安全性を強調することができ、
結果的に売りやすくなります。

 

また、修繕すべきところも把握できます。

 

買主側は買う際の判断材料になりますね!

 

次に売り主側のメリットを
もう少し細かく見ていきましょう。

・メリットとは?

事前に問題箇所を把握しておくと、
的確な修繕が可能になり
PRしやすくなりますが、

 

それだけではなく
売却後の安心感も増します。

というのも、
不動産の場合は売って、
「はい!終わり」では
済まないことがあります。

 

問題箇所が売却後に発覚した場合、
売り主への責任が問われることもあります。

法律の改正が大きく影響しているためです。

前段階として、
2018年4月に宅地建物取引業法が改正され、
不動産会社はインスペクションに関する説明を
売り主、買い主ともに行うことが義務化されました。

あくまで説明の義務化であって、
インスペクションの実施ではありません。

そして2020年4月に民法が改正されたことで、
瑕疵担保責任が契約不適合責任に代わり
売り主の責任がより重くなったのです。

法律はややこしいことが多いのですが、
この点に関してはしっかり
理解しておく必要があります。

このページをご覧になっている方は
どちらかというと売り主の立場の方が
多いはずですのでなおさらです。

さらに、インスペクションに合格した物件は、
既存住宅売買保険を締結できるメリットも。
(加えて新耐震基準を満たしている必要あり)

もし売却後に瑕疵が発見されても
補修費用が保険料で賄えるのです。

ついでに買主側のメリットも
少しだけ触れておきます。

簡単にいうと安心感を得られることですが、
時には重大な欠陥に気づけることもあります。

 

劣化具合がひどいほど
修繕費も多くかかってしまうため、
物件自体が安くても割に合いません。

 

事前に欠点も把握できるので
出費の計算、計画も立てやすくなります。

このように数々のメリットがあり、
ウィンウィンの関係になりやすいのが
インスペクションです。

 

基本的には実施することをおすすめします。

・インスペクションにも様々な問題点が…

ただし、インスペクションにも
問題点が隠れています。

主な問題はやはりお金です…

調べたはいいものの、
思った以上に修繕費用がかさむこともあります。

そもそもインスペクション自体、
費用がかかります。

 

一戸建てとマンションで違いがあり、
マンションは面積に限らず
5万円くらいが相場です。

 

ちなみに給排水管検査は
オプションに設定している会社が多いですが、
5000円ほどなのでそれほど高くないです。

それらが高いか安いかと見るのは
人それぞれですが…

余裕が全然ない場合は除いて
基本的に売主側が実施したほうが
売却はスムーズになると思います。

 

売り出す際のアピールポイントが増えるので
単純に有利になりますよね。

ちなみに瑕疵担保保険が付くのは
条件があります。

既存住宅状況調査技術者の資格者

なおかつ、

住宅瑕疵担保責任保険法人の登録検査事業者
であるインスペクターである必要があります。

その資格をもっていないと
インスペクション自体の価値が低下していまいます。

頼む際は不動産会社から
斡旋してもらうのがセオリーです。

自分でインスペクション業者を探す場合、
複数を検討するのが定石です。

上記の資格があることに加え、
同じ条件で見積もりをしてもらったり、
報告書のサンプルを取り寄せたり、

 

インスペクション後に
どのような対応をとってくれるか
などのことをチェックします。

 

修繕業者が全く別のところを
紹介してくれるとしたら
好感が持てるかもしれません。

不動産会社がインスペクション業者
というパターンもあり、
もし悪徳なら芋づる式に
悪影響を受けてしまいます。


良い不動産会社とわかればいいのですが、
基本は別々が良いとおぼえておきましょう。

 

買主側がやりたいというケースもあります。

 

その場合は素直に応じたほうがいいです。

 

というのも、中には自分の物件の
粗探しをされている感じを好まない人もおり、
断るケースもあります。

 

しかし、断ると印象がとても悪いです。

 

何か見られたら都合のが悪いものが
あるのだろうか?と思うのが自然です。

その時点で購入を見送られることも
十分考えられます。

また、これもひとつの知識として
覚えておいてほしいことがあります。

インスペクションにも
不正が見え隠れしているのです。

 

仮に問題点が発覚した場合でも、
売り主によってはその点を内緒にするよう
インスペクターに願い出ることも可能です。

 

国が定めたガイドラインには
公正さを求める旨が書かれていますが、

 

その程度では根本的な
問題解決には到底及びません。

 

海外では不動産会社と
インスペクターの癒着がひどいことから、
地域によっては売主側による
インスペクションを禁止されてさえいます。

日本はそういう意味でもゆるゆるなので
もしかしたら今現在も被害が
出ているのかもしれません。

そういったリスクが存在することから
インスペクションは買主側で行うべき
という意見も出ています。

いずれにせよ、一概にはいえないので
どうすべきかは個々の状況により
判断する他ありません。

判断基準は知識がベースですので
頭の片隅に留めるのではなく
しっかり肝に銘じておきましょう。