この記事で分かること
- 抵当権設定登記の、軽減前と軽減後の税率
- 軽減の条件から「築25年以内」が消えていること
- 借入額によって、いくら変わるのか
2026年9月に、本則の税率と現行の期限、条件が変わった点を書き足しました。
中古マンション購入をする際に、
諸経費はいくらですか②
抵当権設定
(お金を借入した時にかかる設定登記)
不動産借入金額×1/1000(税率)
上記の軽減税率は、
令和9年3月31日まで住宅用家屋に適用される軽減措置の税率です
(2026年10月確認・国税庁No.7191)。
※軽減措置を受けるための条件
①自己居住用
②登記簿面積 50㎡以上
③昭和57年1月1日以後に新築
(それより古い場合も、耐震基準適合証明書などで
新耐震基準に適合していると証明されればOK)
上記の条件を満たさない場合は
不動産借入金額×4/1000(税率)

借入金額が大きくて、
軽減措置が受けられないと
金額(税金)が変わってきます。
例)借入金額 5000万円 軽減措置OK
5000万円×1/1000=50,000円
軽減措置がなしの場合
5000万円×4/1000=200,000円
固定金利の借入と変動金利の借入を
ミックスしたり、
フラット35の借入で、
9割フラット固定、1割変動金利
となったりすると抵当権設定登記が
2本立てになるので、
税金金額が変わりませんが、
司法書士の手数料が若干高くなります。
作業が倍になるので仕方がないと思います。
軽減措置が受けられないマンションは、
物件価格が
安くなっている事がほとんどなので
合計金額(物件価格+諸経費)を
確認することをお勧めします。
次回は、司法書士のお話します。
軽減があるときと、ないとき
本文のとおり、住宅ローンを借りると抵当権の設定登記が必要になります。その税率をまとめます。
| 税率 | 3,000万円借りた場合 | |
|---|---|---|
| 本則 | 1000分の4 | 120,000円 |
| 軽減後 | 1000分の1 | 30,000円 |
出どころ: 本則は登録免許税法 別表第一 第一号(五)(e-Gov法令検索で確認。原文は「債権金額、極度金額…千分の四」)。軽減は国税庁 タックスアンサー No.7191。軽減の適用期限は令和9年3月31日です。
本文に「平成31年3月31日まで」とあるのは、その後も延長されています。いまは令和9年3月31日までです。税率そのもの(1000分の1と1000分の4)は変わっていません。
差は9万円です。借入額が大きいほど差も大きくなります。5,000万円なら、20万円と5万円で15万円の差になります。
条件が変わりました
本文で「築年数25年以内」と書いた条件は、いまの条文にはありません。所有権移転の軽減と同じ条件になっています。
| 要件 | 中身 |
|---|---|
| 使いみち | 自分が住むための家であること |
| 広さ | 登記簿上の床面積が50平方メートル以上 |
| 建てられた時期 | 昭和57年1月1日以後に建築されたもの。または、地震に対する安全性の基準に適合すると証明されたもの。どちらかを満たせば足ります |
| 登記の時期 | 取得してから1年以内に登記を受けること |
ここは制度が変わったところです。かつては「築25年以内」という年数の条件がありました。いまの条文に年数の文言はありません。昭和57年1月1日より前の建物でも、耐震基準に適合する証明があれば軽減を受けられます。
出どころ: 租税特別措置法施行令 第42条第1項第2号(e-Gov法令検索で現行条文を確認)。原文は「…地震に対する安全性に係る基準に適合するものであること又は昭和五十七年一月一日以後に建築されたものであること」。
ここは、古い建物を検討している方にとって効いてきます。所有権移転の軽減と抵当権設定の軽減は、同じ条件で判定されるので、条件を満たせば両方まとめて軽くなります。逆に、満たさなければ両方とも本則です。
3,000万円の物件を3,000万円借りて買う場合で、ざっくり比べます。
| 条件を満たす | 満たさない | |
|---|---|---|
| 建物の移転登記 | 1000分の3 | 1000分の20 |
| 抵当権の設定 | 1000分の1(3万円) | 1000分の4(12万円) |
建物の評価額によりますが、合わせて十数万円の差になることも珍しくありません。耐震基準適合の証明を取る費用と見比べて、どちらが得かを考える材料になります。
不動産取得税も、同じ考え方です
本文では触れていませんが、買ったあと数か月してから届く不動産取得税にも、同じ論点があります。中古住宅の軽減を受ける条件が、こちらも「昭和57年1月1日以後に新築されたもの」か「耐震基準に適合する証明があるもの」のどちらか、という形になっています。
税率は本則4%ですが、住宅と土地は令和9年3月31日まで3%です。宅地の課税標準を2分の1にする措置も、同じく令和9年3月31日までです。
出どころ: 地方税法 附則第11条の2第1項・第11条の5第1項、地方税法施行令 第37条の18第3項(いずれもe-Gov法令検索で現行条文を確認)。
大田区の物件についての問い合わせ先は、大田都税事務所です。大田区新蒲田1-18-22にあります。なお、取得した日から30日以内に登記を申請した場合は、原則として申告は要りません。中古マンションを買って司法書士が登記するなら、ふつうはこの申告不要のほうに乗ります。
出どころ: 東京都主税局「不動産取得税」および大田都税事務所の案内。
中古マンションを購入する際、諸経費はいくらですか(全7回)
- ① 所有権移転の登録免許税
- ② 抵当権設定の登録免許税(このページ)
- ③ 司法書士の報酬と登記の実費
- ④ 銀行に払う費用
- ⑤ 仲介手数料は何の対価か
- ⑥ 仲介手数料の計算のしかた
- ⑦ 火災保険と地震保険