中古マンションの成約件数の推移を見ると売買の参考になる

中古マンションの成約件数の推移を
見ると売買の参考になる

中古マンションの成約件数は
今後も多推移であるという見方が強いです。

いつまでこの流れが続くかわかりませんが、
データを見る限りでは
誰もがそう思うのも無理はありません。

今回は中古マンションの活況について
いろいろ考察していこうと思うので、
売り買いの参考にしてほしいと思います。

・中古マンションが盛況な理由

多くの方が言うように、
中古マンションの取引は活発な状況が
続いていることから、

今後もしばらくはこの状況が続くと
予想されています。

レインズの首都圏のデータによると、
中古マンションの成約件数は
2011年には29000件弱でしたが、

2021年には40000件弱と
すごいペースで拡大しています。

 

僕が推奨していたのが、
ちょうど、2010年頃であり
予想通りの結果になりました。

もちろん増加に伴い価格も上昇傾向で、
平均単価は10年で2倍近くになっています。

これは一昔前、
2012年の新築マンション供給量と
ほぼ同じ戸数になります。

その大きな理由は新築マンションの高騰化です。

2012年には平均4200万円ほどだったのが、
2022年には6800万円近くまで上昇しました。

これは完全に不動産バブルといえる状況です。

ただ、平成初期のバブルと違い、
お金がある層は偏っています。

いわゆる高所得者、
パワーカップルといった層だけが
買っています。

そして、アベノミクス効果で
海外のアジア勢(中国・台湾・香港)
購入してからは、勢いが止まりません。

 

僕のお客様も、日本人からアジア系の方々に
シフトしている状態でもあります。

一般世帯は全体的に所得が上がっていないので、
手が出せないというわけです。

不動産購入で最も影響力が強い
金利の低下状況でさえもその状況なので、
日本はまだまだ全体としては不況なのです。

需要が伸びると価格は上がるものですが、
新築と比べると中古マンションは
お買い得には変わりません。

以前と比べて価格差は縮まっているものの、
それでも3割安以上で買えるのですから
人気が出て当然の状況といえます。

日本は基本的に新築信仰が根強いので、
新しいほど価値があるという感覚があります。

そのため、中古物件はどちらかというと
毛嫌いされてきた傾向でしたが、
ここ数年はその意識も逆転現象が
出てきた感じもします。

その証拠にリノベーションが流行し始め、
2016年以降は中古マンションの成約件数が
新築マンションの販売個数を上回り続けています。

2013年は断然新築マンションが売れており、
56000件以上売れていましたが、
2015年は35000件まで落ちます。

対して中古マンションは
2015年に37000件を突破し、
その後2019年までほぼ横ばい。

2020年はコロナの影響で落ちますが
それでも35000件と大きく落ちてはいません。

新築マンションの場合、
2019年からガクンと減り始め、
2020年には27000件と
中古マンションと比べて
大きな差を感じるようになりました。

※いずれもレインズの首都圏のデータによる

新築人気が根強いのは政府の景気対策も一因で、
中古のほうが減税しにくい状況でした。

耐火構造のマンションでも築25年以内でないと
住宅ローン減税の対象にならないとか、
そうでない場合は耐震基準を満たしているかなど
厳し目のルールだったのです。

ただ、新築マンションが高騰すると
話は変わってきます。

減税の対象になりやすいとしても
高すぎたら中古マンションを買ったほうが
最終的に安く済むので本末転倒です。

最近は建築資材の高騰などの理由で
部屋が狭くなってきているとも言われます。

資材や人件費、輸送費は
世界中で高止まり傾向であり、
2011年と2022年を比較すると
1.3倍も高くなっているのです。

場所も限定的ですので、
中古マンションよりも選択肢の幅が狭い。

以前よりもマンションの供給に適した用地が
減っていることも挙げられます。

昔は工場や倉庫の跡地に
マンションを建てる流れになっていましたが、
いよいよそういう土地も減ってきたのです。

それを反映するかのように、
再開発や建て替えの流れが出てきています。

そんな事情が見え隠れするものですから
今後も中古マンションの成約件数は
伸び続けるでしょう。

ちなみにリクルートの2021年の調査によると、
新築マンションと中古マンションを
同時に検討している人の割合は
54.5%と過去最高を記録したそうです。

・状況は変化し続けるもの

ただし、未来がどうなるかは
具体的には未知数ですから
動向は常に注視する必要はあるでしょう。

特に注目してほしいのは売出し件数の推移です。

中古マンションでもなんでも
人気が出ると価格は上昇します。

バブルと言えるほどの過熱ぶりですから
中古マンションといえど、
高くなりすぎた感もあります。

価格が上昇していると、
売る側は有利になるのですが、
株価と同じくまだ上がるのでは?
という期待感が先行し、
実は売出し件数が少ない時期がありました。

それが2021年の前半くらいです。

前年同月比でみると、
マイナス20%~27%ほどで推移するという
異常とも言えるほど少なさだったのです。

ところが、2021年の7月あたりから
徐々に売出し件数が増えてきて、
2021年12月には-6.4%と
大幅に増えたのです。
(レインズの月例マーケットウォッチより)

これにより、売り手市場から買い手市場に
変化してきたともいえます。

供給量が増えると価格が下がり、
売り手は早く買ってもらいたいとなるので
買い手のほうが有利になるのです。

このように、成約件数から
いろいろなこと見えるわけですが、
状況は刻一刻と変化しています。

中古マンションを売るにしても
買うにしても市場の動向をよくみて
判断するようにしてください。