中古マンション価格の下落率と築年数の関係はとても大きい

中古マンション価格の下落率と
築年数の関係はとても大きい

中古マンションの購入や売却を考える上で
築年数と下落率の関係は
知っておいたほうがいいでしょう。

時期や地域によって数値は異なるので、
一般的に言われていることは
あくまで参考データと見るべきです。

見誤ると損をすることになりかねないので
基礎知識として覚えておいてください。

・一般的な下落率と現状について

基本的に人間は新しもの好きです。

マンションなどの大きな買い物となると
その贅沢な心が顕著に現れます。

新しいほど価値が高く、
古いほど価値が下がっていくのは
不動産投資と無関係な人でも
ご存知かと思います。

データを参照するとさらに納得できます。


築年数が5年未満の物件が最も高く、
築30年以上だと3割くらいになります。

更に細かく見ると、
下落率は築年数(築年帯)でも変わります。

レインズのデータによると、

レインズのデータによると

築6~10年で約8%、
築11~15年で約12%、
築16~20年で約13%、
築21~25年で約15%、
築26~30年で約22%も下落。

(築31年~では約6%の上昇となっています)

 

このように、時間が経つほど
価値が減っていくのは目に見えています。

一時期は築15年くらいから
下げ止まりと言われていましたが、
それは古い定説です。

古いと言っても10年くらい前まで
言われていたくらいですので
不動産市場も結構動きは激しいといえます。

現在(2023年)においての下げ止まりは
築26~30年以降となります。

中古マンションの売却を検討しているなら
築年数はとても重要なファクターですので
必ず見ないといけない項目のひとつです。

・築年数だけが売る目安ではない

基本的に新しいほど売るには有利ですが、
他にも売るときの目安はあります。

まず築25年以内かどうかが重要です。


住宅ローン控除の対象が
建築から取得までの期間が25年以下であると
定められているからです。

当然、控除の対象になったほうが
いい物件となりますので、
知らないと損する可能性大です。

新耐震基準になっているかも重要

特に注意が必要なのは
1981~1983年の間に建造された物件。

新耐震基準の建築確認は
竣工まで1年以上かかってしまうので
下手したら旧耐震基準である
可能性もあります。

大規模修繕の目安である
12年周期を見越して
売却計画を建てるのも大事です。

古くなると価値が低くなるのは
安全性が低くなるからです。

付随して修繕費が高くなっていくので
どんどん不人気になるともいえるのです。

このように、中古マンションは時期によって
売り時が変わってきます。

もちろん地域によっても差が生じます。

上記のデータは首都圏のもので、
近畿圏だともっと下落率が高くなります。

やはり首都圏のほうが人が多いので
どうしても需要に差が出てしまうからです。

もちろん需要ありきですので、
未来永劫、その通りの水準とは限りません。

昔と比べて中古マンションの
築年数の平均はどんどん上がっています。

新しい物件が多い時期だと、
少し古くても価値は下がる傾向が強いです。

築15年で下げ止まりと言われていた時期は
それほど全体的に新しさがあったからです。

現在は状況が大きく変わってきています。

築年数の平均が上がるだけでなく、
首都圏の一極集中もコロナ禍以前から
変わってくると言われていますよね。

もしかしたら地方都市のほうが
活気づくかもしれないですし、
価値観の変容により築年数は二の次で
管理体制に重きが置かれるかもしれません。

・築年数ごとのポイント

とりあえず現時点(2023年)においては
まだ従来どおりの法則が通用しますので
築年数ごとの要点をお伝えしたいと思います。

築5年頃までは最も新しくて綺麗なのですが、
売る人は少ないです。

新築同様でも一瞬でも人が住むと
中古マンションになってしまうので
価格が10~15%も下がります。

その差額のことを新築プレミアといい、
売る側(持ち主)はあまりメリットがないので
ほとんど売りに出されません。

ある程度供給量が増えるのは
築10年以上からです。


10年くらいまだまだ綺麗ですし、
長期の住宅ローンを組みやすいこともあって
とても人気があります。

鉄筋コンクリート製だと
耐用年数は47年と言われているので
35年ローンも組みやすくなります。

持ち主としては修繕積立金が
上がるタイミングでもあるので
売るには都合が良いのです。

そう考えると築15年でも
まだまだ新しくて良いのですが、
大規模修繕工事のあとのため、
修繕積立金が多少上がっていることを
考慮しないといけません。

築20年くらいでもまだ新しい方で、
住宅ローン控除の対象である
築25年未満なら価値も高いといえます。

そして大きな区切りとなるのは
築30年以上の中古マンションです。

かなり古く感じられますが、
建物の寿命的にはまだまだ使えるほうです。

中には築60年を超える物件も
たくさんあるので、
相対的にはまだ若者です。

最大のポイントは
下げ止まり年数ということ。

今のところはですが、
ここから大きく下落する可能性は低いので、
資産価値を維持できるメリットがあります。

高く売るには立地やリノベーションといった
付加価値が必要になりますが、
損失が少ないので安心感が違います。

最後に参考までに、
築年数に限らずあまり下落しない
優良物件について触れておきます。

まず何より立地の良さになります。

特に駅近5分前後の物件は
全体的に下落しにくいのは
自然と納得できると思います。

中でもブランドマンションと言われる
大手不動産会社が分譲している物件は
好立地に建っている傾向が強いです。

超例外といえるのがヴィンテージマンション。

価値が下がらないどころか
上がる傾向すらあるレア物件で、
億超えも存在するほどです。

上記はあくまで例外ですので、
見つけたらラッキー程度に
思っておくと良いでしょう。