中古マンションを購入する際の注意点 築年数②

中古マンションを購入する際の注意点
築年数②

購入条件の中でも、
優先順位の上位が年数と
前回お話ししましたが、
旧耐震基準のお話しします。

旧耐震基準のマンションは、
昭和56年6月以前に
建築確認申請が行われた
マンションになります。

もう少し、詳しく言いますと
新築年月日が、
昭和57年12月ぐらいまでは、
旧耐震基準のマンションになっている
可能性が高いということです。

マンションの工期(工事期間)は
約1年から1年半ぐらい
かかりますので、
新築年月日を確認して
昭和57年代であれば
区や市、もしくは都庁で
建築確認申請の確認を
してもよいでしょう。

よく聞かれますが、
旧耐震基準のマンションは大丈夫ですか?
という質問です。

もう一度おさらいしますが、
旧耐震:
震度5程度の地震がきても
耐えうるマンション

新耐震:
震度6強以上の地震で倒れないマンション

ということは、
旧耐震の中古マンションは、
震度6以上の地震がきても、
必ず100%倒壊するわけでもなく、
震度7以上の地震がきても、
必ず100%倒壊しないとも言えないです。

東日本大震災でも、
震度6強があった関東地域や
東京都でも旧耐震マンションが
倒壊したという事実も
なかったと思います。

データをみると意外な結果もあります。

大破:建替えが必要な致命的な被害
中破:大規模な補修・補強が必要
小破:タイル剥離・ひび割れ相当
軽微:外観上、ほとんど損傷なし

大破という倒壊が0棟という結果と
昭和46年までの中破も0棟という結果です。

昭和47年以降と昭和57年以降は、
10棟と34棟があったという結果です。
このデータを見てしまうと、
旧耐震だからダメという根拠は
覆ります。

昭和47年以降から昭和56年までは
中破はあったので、すべてではありませんが
それでも倒壊がないという事実です。

改めて、日本の建築って凄いなと
考えさせられます。
旧耐震のほうが、
大丈夫なのではないかと
逆に疑ってしまいます。

これは、エアコン業者さんから
聞いた話ですが
社宅や寮など、
昔から建築されている建物で
エアコンの取付依頼があったそうです。

昔の建物の為、
エアコンの室外機を通す穴が
ありません。

通す穴を削る許可が出たため
ドリルで穴を開けたそうなのですが、
かなりの時間がかかったようで。

新築マンションなどのコンクリートと違い
旧耐震の中古マンションは、
ほぼコンクリート内の水分がなくなり
乾燥しきった状態です。
言わばカチカチな塊という事です。

コンクリートは砂と水を混合して
固めますから、時間とともに、
乾燥しますよね。

古いマンションのほうが、
意外に強度的に保たれている
かもしれません。

また、
新築マンションも、
穴が開いてない箇所があったようで
(開けとけよーって話ですが、
構造計算上問題ないということで)
同じように、穴を開けたようですが、
時間もかからず、
あっという間に穴が開いたようです。

まだ、柔らかいというというと、
解釈が変ってきますが
水分をまだ含んでいるという事です。

実際、そういう話を聞くと、
旧耐震でも、強度な建築物なんだなと
根拠が分かってきます。
すべての建物とは言いませんけど。

次に関東の状況を見てみましょう。

関東でも大破は0棟という事です。
あれだけの地震であっても
倒壊事例がないのは
素晴らしいことです。

東京は、中破で8棟のみなので、
被害が小さかったと言えるでしょう。

部位状況においては、
建物本体や付属建物の液状化現象は
東京都は0棟です。

駐車場部分と外構
(花壇や植栽部分、
敷地内のコンクリート部分)で
東京都は5棟だけでした。

※千葉県は、液状化現象 状況
建物本体:1棟 建物付属:17棟
駐車場部分と外構:502棟
かなりの被害状況が伺えます。
データだけが全てではありませんので
「大丈夫です」とは簡単に言えないです。
何を優先して何を妥協するかによって
築年数の問題がでてくると思います。

購入者の予算がそれぞれあると
思いますので、
それを踏まえて、
上記の内容を参考にして頂き
判断するのがよいと思います。

もし、
旧耐震マンションが気に入ったら、
現地に行き、住人の方々にお声がけして
直接聞いてしまうのは、いい方法です。

1人ではなく、数人の意見を聞けば
マンションの実態が分かりますので、
一番リアルな意見だと思います。

「あの時は、結構揺れた、
あまり揺れなかった、補修や補強は
ほとんどしてないですよ」など
貴重な体験談を聞くのがよいです。

いざ購入を考える時に、
普段は考えもしないことが浮かびます。
建物壊れたらどーしようとか、
崩れたらどーしようとか、などなど。

決断する時には、
ほとんどの方が思ってしまうことです。
そういう時は、なぜ購入しようと思ったか、
理由や動機を再確認するといい方向に
話がすすみますので、
ぜひ思い出して下さい。