この記事で分かること

  • 住宅ローンの事前審査に落ちたとき、フラット系と銀行系で次の打ち手がどう違うか
  • フラット35の「総返済負担率」の基準で、年収320万円の人はいくらまで借りられるか
  • 自分の信用情報を取り寄せる方法と、申込みの記録が残る期間

2026年9月に、審査の基準と信用情報の確かめ方を入れて本文を書き直しました。

30秒でいうと

事前審査に落ちても、それで終わりではありません。ただし、同じ条件のまま何度も申し込むのは逆効果です。先にやることは2つ。①年収に対して借りすぎていないかを計算し直すこと、②自分の信用情報を取り寄せて確かめることです。原因が分かれば、借入額を下げる、自己資金を足す、申込み先を変える、といった次の手が選べます。

フラット系と銀行系で、落ちたあとの動き方が違います

現場で見てきた感覚では、住宅ローンの審査は、申込み先によって落ちたあとの動き方が変わります。

フラット系(フラット35など)銀行系
借入額を減らした回答(減額回答)出ないことが多い。3,000万円で申し込んで通らなければ、それで否決出ることがある。「3,000万円は無理でも2,500万円まで」と回答してくれる
もう一度申し込むと借入額を下げて出し直すと、通ることがある審査が細かく、同じ条件での出し直しは厳しい
その他本審査をしないと答えられない「留保」になることもある減額回答のあと、物件価格を下げて満額で出し直しても厳しいことが多く、1〜2割の自己資金を入れて買う人がほとんど(自営業の人に多い)

どちらでも共通するのは、申し込んで1日か2日で否決の返事が来たときは、個人信用情報に原因があることが多いという点です。この場合は、借入額を下げても結果は変わりにくいので、先に信用情報を確かめます。

年収に対して借りすぎていないか: フラット35の基準で計算する

フラット35には、公表された審査の基準があります。年収に占める、すべての借入れの年間返済額の割合(総返済負担率)が、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下であることです。この「すべての借入れ」には、住宅ローンのほか、自動車ローン、教育ローン、カードローン、クレジットカードのキャッシング、分割払いやリボ払いでの買い物も入ります。

年収320万円の人を、2026年9月のフラット35の最頻金利3.46%・35年・元利均等で計算するとこうなります(当方の計算)。

借入額毎月の返済総返済負担率基準(30%以下)
3,000万円約123,300円約46%超える
2,500万円約102,700円約39%超える
約1,940万円約79,700円約30%ここが上限の目安

年収320万円の人が返済に回せるのは、年96万円(月8万円)までです。3,000万円はもちろん、2,500万円でも基準を超えます。ほかに車のローンが月2万円あれば、住宅ローンに回せるのは月6万円になり、借りられる額の目安は約1,460万円まで下がります。落ちた理由が「年収に対して借りすぎ」なら、申込み先を変える前に、この計算を先にしてください。

審査でどの金利を使って計算するかは、金融機関が決めます。フラット35の金利は申込時ではなく、資金を受け取るときの金利です。フラット35は購入価額までなら借りられますが、借入額が購入価額の9割を超えると金利が変わります。自己資金を1〜2割入れると、この金利の差と、審査の通りやすさの両方に効きます。

出どころ: 住宅金融支援機構「フラット35 ご利用条件」「最新の金利情報」(2026年9月資金受取分)。計算は当方。

信用情報を取り寄せて確かめる

信用情報は、自分で取り寄せて見ることができます。信用情報機関は3つあり、それぞれに申し込みます。銀行が加盟しているのは全国銀行個人信用情報センターです。どこに記録があるかは借りた先によって違うので、3つとも取り寄せると見落としがありません。

機関インターネットでの開示手数料
CIC(シー・アイ・シー)スマートフォンで、その場で見られる500円(郵送は1,500円)
JICC(日本信用情報機構)スマホアプリで申込み、1〜3日程度(土日祝日を除く)700円
全国銀行個人信用情報センター申込みから最短3〜5営業日。即日はできない800円

インターネットでの開示は、どこもマイナンバーカードで本人確認をします。見るところは、支払いの状況に延滞などの記録がないかです。クレジットカードの払い忘れや、商品の分割払いの遅れも記録の対象で、契約が終わってからも5年以内は残ります(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターとも)。

全国銀行個人信用情報センターは、審査業務は一切行っておらず、本人開示は金融機関の審査結果の理由を特定するものではない、としています。開示で分かるのは登録されている事実までで、否決の理由そのものは分かりません。

出どころ: CIC「情報開示とは」「CICが保有する信用情報」、JICC「本人による開示申し込み(スマホ申込)」「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行協会「全国銀行個人信用情報センター 本人開示の手続き」「センターの概要」(いずれも2026年9月27日確認)。

信用情報と住宅ローンの審査の関係は、こちらにも書いています → 住宅ローンの審査と個人信用情報。

続けて申し込む前に: 申込みの記録は6か月残ります

ローンを申し込んで、申込み先が信用情報を照会すると、その記録が残ります。CICとJICCは照会した日から6か月、全国銀行個人信用情報センターは会員の金融機関に見せるのが6か月以内です。短い間にいくつも申し込むと、次に申し込んだ金融機関にも、その記録が見えます。それをどう評価するかは金融機関ごとに違いますが、落ちた原因を直さないまま申込みを重ねても、結果は変わりにくいです。

出どころ: CIC「CICが保有する信用情報」、JICC「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行協会「全国銀行個人信用情報センター センターの概要」。

落ちたあとの順番

  1. 信用情報を取り寄せ、延滞などの記録がないか見る
  2. 車のローン、カードの分割払いやリボ払いの残りを書き出し、総返済負担率を計算し直す
  3. 借入額を下げるか、自己資金を足すか、収入を合算できるかを考える(フラット35は収入を合算できる場合があります)
  4. それから、申込み先を選び直す

事前審査を受けること自体はよいことです。大事なのは、一度落ちたら、何度も出し直す前に原因を確かめることです。審査で気をつけることは、こちらにもまとめています → 住宅ローン審査の落とし穴。