この記事で分かること

  • 窓・サッシ・玄関扉のきまりは、建物ごとの管理規約と使用細則で決まります
  • 全体で交換するときのお金と、修繕積立金の月額の目安(国土交通省のガイドライン)
  • 古い分譲マンションの管理の状況を届け出る決まりと、大田区の窓口

2026年9月に、規約の確かめ方と積立金の目安を書き足しました。

中古マンション購入してリノベーション。できない箇所などはあるのか?

中古マンションを購入してリノベーションするとき、「ここは直せない」という場所はあるのか——先に結論から言うと、あります。窓・窓サッシ・玄関扉は、多くのマンションで管理規約上「共用部分」とされているため、個人の判断だけでは変更できません。
※中古マンションに限らず、新築マンションでも同じ考え方です。

国土交通省が示す標準管理規約(マンション規約のひな形)では、窓・窓サッシ・玄関扉を共用部分として扱う例が多く、個別に交換するには管理組合の決議が必要になる場合があります。決議が通っても、工事自体はマンション全体でまとめてサッシを交換する形になることが多いです。

2004年には、この標準管理規約で「使用細則を定めれば、区分所有者が管理組合の決議なしに窓や玄関扉の一部を交換できる」という考え方が示されました。(歓迎された改訂です)ただし、実際にそれが使えるかどうかは、お住まいのマンションの規約がどうなっているかで変わります。

玄関扉は、内側が専有部分、外側が共用部分となっている規約のマンションが多いため、個別交換はさらに難しいことがあります。できるかどうかは、管理規約と使用細則を確認して判断するのが一番です。

なお、玄関扉を木目調やアンティーク調に変えることは基本的にできません。木は燃えやすく、集合住宅の防火基準に合わないためです。

築年数の古いマンションでは、管理規約の改訂自体が長く行われておらず、「変えたくても、まず規約を変える決議から必要になる」というジレンマを抱えていることもあります。

サッシを個別に交換できれば、騒音や冷暖房効率の面でも効果を感じやすくなります。規約の改訂を管理組合に提案してみるのも一つの方法です。

もちろん、経年劣化でマンション全体として交換工事を行うこともあります。ただ、個別にできる・できないをはっきりさせておいたほうが、住戸ごとの事情に合わせやすく、効率的に進められることも多いと感じます。

木製のサッシは火災の原因になりやすいため、集合住宅では基本的に使われません。安全第一の観点から、木への交換は避けましょう。

これまで中古マンションを数多く内覧してきましたが、木製サッシを見たことは一度もありません。見た目はおしゃれかもしれませんが、サッシが変わるだけで部屋の印象はかなり変わるものです。
インナーサッシ

既存のサッシが気になるものの個別交換が難しい場合は、インナーサッシ(二重窓)を取り付ける方法もあります。

特に冬場に効果を感じやすいです。マンションは気密性が高く隙間風が少ないと言われますが、古いサッシからは意外と冷気が入り込みます。

インナーサッシを付けると、その冷気をカバーしやすくなり、暖房効果もあるため部屋が冷えにくくなります。

布団にくるまらずに過ごせるなら、それだけでも快適さは変わってきます。冷暖房の効率が上がれば、工事費用に対する満足度も感じやすいはずです。

一年や二年で壊れるものではないので、引っ越し前に工事を済ませておくと楽だと思います。窓枠にはサイズの規格があるので、取り付けはプロに相談しましょう。

サッシや玄関扉のきまりは、建物ごとの管理規約で決まります

本文のとおり、窓・窓サッシ・玄関扉を共用部分としている管理規約が多いです。ここで大事なのは、どこまでが専有部分かは建物ごとに違うということです。玄関扉は内側だけが専有という書き方もあります。個別に交換できるか、インナーサッシ(二重窓)を付けてよいかは、その建物の管理規約と使用細則に書いてあります。

買う前に見せてもらえる書類は、管理規約、使用細則、長期修繕計画、総会の議事録、重要事項に係る調査報告書です。売主か管理会社から取り寄せます。工事の内容が決まったら、管理組合への届け出や承認が要るかどうかも、細則で確かめます。

本文の「2004年に国交省の標準管理規約が改訂されて」は、国土交通省が示す見本の話です。見本が変わっても、それぞれの建物の規約が自動で変わるわけではありません。本文にあるとおり、築古のマンションでは古い書き方のままのこともあります。できるかできないかは、いま自分の建物の規約がどうなっているかで決まります。

全体で交換するときのお金は、積立金から出ます

本文には「経年劣化でマンション全体で工事を行う事もある」とあります。全体でサッシを交換する工事は、長期修繕計画と修繕積立金のぐあいで進み方が変わります。積立金の月額の目安は、国土交通省のガイドラインに出ています。専有面積1平方メートルあたり1か月の額です。

建物の規模平均幅
20階未満・延床5,000㎡未満335円235〜430円
20階未満・5,000〜10,000㎡未満252円170〜320円
20階未満・10,000〜20,000㎡未満271円200〜330円
20階未満・20,000㎡以上255円190〜325円
20階以上338円240〜410円

出どころ: 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)。

機械式駐車場があるマンションは、この目安に別途加算します。いま払っている積立金がこの幅のどのあたりかは、募集資料や調査報告書で分かります。ただし修繕の中身は建物ごとに違うので、額だけで良し悪しは決められません。

大田区で確かめられること

古い分譲マンションには、管理の状況を区に届け出る決まりがあります。東京都の条例にもとづくもので、大田区の届出先は建築調整課 住宅政策担当です。管理組合があるか、規約や長期修繕計画があるか、という管理の土台の話です。自分が見ている建物が対象かどうかは、管理組合か管理会社に聞けます。

池上・蒲田・大森・西馬込・田園調布で中古マンションを探すときの入口はこちら → 大田区の中古マンション。買うことそのものの考え方は なぜ家を買うのか に書いています。