
中古住宅購入前に確認すべき「境界と植栽」のリアルなトラブル事例
■ こんなはずじゃなかった…“家の裏から伸びる木”がもたらしたトラブル
中古戸建を購入されたあるお客様。
外観も良く、周辺環境も静か。建物の状態もよく、内覧ではとても気に入られて即決に近いご判断でした。
ですが、住み始めてしばらくすると、裏手の家から伸びている植栽が、自分の敷地内にまで越境していることに気づかれました。
最初は「まあ、仕方ないか」と思われたそうですが、次第にこういった問題が浮かび上がってきました:
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雨どいに葉が詰まり、排水が逆流
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外壁が日陰になり、一部に苔が発生
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落ち葉が常に散乱し、掃除の負担が増大
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木の根が基礎に影響する懸念も
さらに問題なのは、「隣家の方が話を聞いてくれない」ことでした。
80歳近い高齢のご夫婦で、こちらが何度もお願いしても、
「あんたの方が後から越してきたんでしょ。こっちが迷惑してるくらいだよ!」
と、逆に怒られてしまうような状況だったのです。
■ 購入前に見えない“盲点”──境界と植栽のチェックは超重要
実はこうした「越境植栽のトラブル」、中古住宅では**“意外と多い”**にもかかわらず、
内覧では気づきにくく、書類にも載っていないため、後から発覚するリスクが高いのです。
私自身も、こうした事例を数十件以上見てきました。
購入前には「陽当たり」「間取り」「築年数」は重視されますが、
**“隣家との関係性”や“植栽の越境”**といった「人が関わるリスク」こそ、
長く住む上では大きな課題になります。
■ プロの目線でできる対策
以下のような確認・対策が、トラブル回避には重要です。
🔸1. 越境の現地確認(見るだけでなく写真撮影)
植栽・カーポート・エアコン室外機など、越境の有無を目視と測量図で照合。
🔸2. 境界プレート・確定測量の有無を確認
境界杭が確認できるか、法務局で図面と照合できるかを確認。
🔸3. 売主との交渉で「越境物撤去」の約束を契約書に明記
購入前にリスクがあれば、契約書で明文化しておくことが大切。
🔸4. 管理できない場合は“外構でバッファーを取る”工夫
境界にフェンスや緑化バリアを設置するだけでもストレスは減ります。
■ プロとしての信念:「不動産を売る」ではなく「人生を守る」提案を
不動産は「買ったら終わり」ではありません。
その先にある生活に、不安やストレスを持ち込まないために──
私は、物件の良し悪しだけでなく、“人との関係性”や“時間が経って現れるリスク”まで想像して提案するようにしています。
このお客様には、その後も何度かご相談を受けましたが、
「最初に“注意しておいた方がいいですよ”って言われたこと、今になって本当に実感してます…」
という言葉をいただいたとき、売るだけじゃない、不動産の仕事の本質を改めて感じました。
質問があれば、こちらから受付してます。
お問い合わせからであれば、無料で回答しますので
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