この記事で分かること
- 東京都区部の中古マンション成約価格が、2020年から2026年8月までどう動いたか
- 売主が業者のときの、保証期間・手付・違約金の法律上の上限
- 2025年1月から始まった、購入申込みの有無がレインズで分かる仕組み
2026年9月に、相場の数字と2025年からのレインズ表示の決まりを足しました。
中古マンション購入の際
値段交渉できますか②
前回の続きで、売主が不動産業者のケースです。
結論からお伝えすると、業者売主の物件は値引き交渉の余地が小さいことが多いですが、販売開始から時間が経っている物件に限っては交渉できる可能性があります。物件ごとに事情が違うので、気になる物件があれば個別に確認してみてください。
不動産業者がリノベーションして再販売している
中古マンションは、購入価格がやや高めに設定されています。
内装はもちろん、
見えない部分の給水管、
配管などもすべて交換したうえで、
設備は約半年間、
主要構造部分は2年間の
保証をつけているケースが多く、
その安心料も含んだ
価格設定になっています。

最近の業者の傾向は、薄利多売です。
色々なマンションを
少し高めに仕入れて
利益は薄く、戸数で勝負する
スタイルが増えています。
そのため、価格交渉が
厳しい状況になりつつあります。
似たような再販業者が
多くなってるため、
買取競争が激化しているのも
要因の1つだと感じています。
また、
担当者ごとに利益部分を
管理しているため、安く売ると
担当者の評価にも響いてくるので
簡単には金額を下げてきません。
業者は、仕入れの前に周辺のリサーチを
しています。
色々な不動産業者に連絡をして、
金額の目線を定め、
リノベーションしても、
ある程度採算がとれるかどうか
確認をしています。
できる限り失敗がないようにしていますが、
まれに目線がずれてしまう事もあります。
時間が経過して売れ残っている物件は
(目安として3か月程度)
価格交渉がしやすくなる傾向があります。
狙い目ではありますが、
同じように考えて
検討している方もいるので、
ご注意ください。
価格が下がったときは、
スピード勝負になります。
いち早く申込書を提出し、
さらに住宅ローンの事前審査が通っているかどうかで
優先順位が決まってきます。
①住宅ローン事前審査 OK
②申込書 満額
③契約日・時間 設定
②と③の期間が短いほど契約締結につながります。
事前に準備をしている方と
そうでない方の違いで、
購入できるかできないか、
はっきり分かれてきます。
準備が大事とよく言われますが、
いざ自分のこととなると
なかなか実行できないものです。

せっかく、貴重な時間を
費やしたのですから、
できる限り準備をすすめておきましょう。
数字で見ると、こうなっています
本文は「業者が売主のリノベーション物件は高い」「買取競争が激しく、値段交渉は厳しくなりつつある」という話でした。その物件が並ぶ中古マンションの成約価格は、東日本レインズが公表しています。大田区や城南地区の単位の数字はないので、東京都区部の値です。
| 成約㎡単価 | 成約価格 | 成約件数 | |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 81.67万円 | 4,889万円 | 15,087件 |
| 2025年 | 130.75万円(前年比+13.2%) | 7,401万円(+11.2%) | 21,912件 |
| 2026年8月 | 132.69万円(前年同月比−0.3%) | — | — |
出どころ: 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」2016年・2020年・2025年の年報、月例マーケットウォッチ2026年8月度(2026年9月10日公表)。区や地区の単位の成約価格は公表されていないので、東京都区部の値です。
5年で㎡単価は6割上がりました。一方で2026年8月は、2020年4月以来76か月ぶりに前年同月を下回っています。本文の「3か月売れなければ価格交渉もしやすくなる」という見方が当てはまるかどうかは、物件ごとに違います。この数字が示しているのは、都区部全体の平均の動きだけです。
売主が業者のときは、法律で決まっていることがあります
本文にある「設備は約半年間、主要構造部分は2年間の保証」は、宅地建物取引業法の決まりと重なります。業者が売主の場合、契約不適合責任の通知期間は引渡しから2年以上と定められています(40条)。手付は代金の2割まで(39条)、違約金と損害賠償の予定の合計も2割まで(38条)です。
出どころ: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法。
本文が書かれた当時の言い方と、いまの条文は違います。2020年4月1日施行の民法改正で「隠れた瑕疵があること」という書き方をやめ、「契約の内容に適合しない」に改められました。よく使われる「契約不適合責任」は通称で、条文の言葉ではありません。
出どころ: 民法(e-Gov法令検索で現行条文を確認)。
申込みが入っているかは、いまは表示で分かります
本文は「金額が下がったときはスピード勝負」「申込書とローン事前審査で優先順位が決まる」と書いています。ここは2025年1月1日から仕組みが変わりました。専任媒介・専属専任媒介の物件は、レインズへ取引状況を登録する義務があります。表示は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つです。虚偽の登録は65条1項の指示処分の対象になります。なお「囲い込み禁止」という条文はありません。
出どころ: 宅地建物取引業法施行規則 第15条の11、国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」改正(2025年1月1日施行)。
一般媒介はレインズへの登録義務がありません。媒介契約の有効期間は、専任・専属専任とも3か月が上限です。
出どころ: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法。
業者と同じ目線を、自分でつくる
本文は「業者は周辺のリサーチをして金額の目線を描いてから買う」と書いています。同じ材料は、買う人も見られます。成約価格はレインズ・マーケット・インフォメーションで調べられます。ただし価格は十万円単位を四捨五入、面積は5平方メートルの幅、成約時期は3か月で区切った範囲で、丁目単位の所在地は出ません。
出どころ: レインズ・マーケット・インフォメーション(運営は全国指定流通機構連絡協議会)の「初めてご利用するかたへ」。価格は十万円単位を四捨五入、面積は5平方メートルの幅、成約時期は3か月で区切った範囲、丁目単位の所在地は出さない。
国の取引価格の仕組みは、名前が変わりました。土地総合情報システムは令和6年3月末で廃止され、令和6年4月から「不動産情報ライブラリ」に移っています。運用開始は令和6年4月1日10時です。
出どころ: 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」。
同じ建物・同じ駅の事例を自分で並べる手順は 不動産売却を成功するための自分査定 にまとめています。大田区の入口は 大田区の中古マンション、地区ごとは 池上・蒲田・大森・西馬込・田園調布 です。