30秒でいうと

  • 大田区の住宅リフォーム助成(令和8年度)は、区が決めた工事を区内に本社がある中小事業者に頼んだとき、工事費(区の決めた標準工事費が上限)の10%、最大20万円を区が出す制度です。事前申込(仮申請)の受付は令和9年1月29日まで。予算がなくなった時点で終わります。
  • 中古マンションを買ってすぐ直す工事は、ふつうは対象になりません。「令和8年1月1日から住んでいる区民」が条件で、購入に伴う工事も外れているからです。ただし、中学生以下の子どもがいる世帯は、区外から越してくる人でも、購入に伴う工事でも対象になります。
  • 順番は「管理規約を読む→1社で見積り→工事前の写真→区へ事前申込→管理組合の承認→工事→本申請」です。足場を組んだ後や工事を始めた後に申し込んでも、対象になりません。

大田区の住宅リフォーム助成のあらまし(令和8年度)

住まいの質の向上、脱炭素、防災、長く住むための手入れなど、区が一覧で決めた工事が対象です。区民が区内の中小事業者を通して工事をしたとき、費用の一部が助成されます。

項目内容
事前申込(仮申請)令和8年4月1日(水)〜令和9年1月29日(金)。工事を始める前に出す
助成申請(本申請)令和9年3月19日(金)午後5時まで。工事が終わり、支払いを済ませてから出す(1か月以内が目安)
助成の割合と上限A工事(住まいの質の向上・脱炭素・防災・長く住むための工事)は助成対象額の10%・上限20万円。B工事(テレワーク・子育てなどの暮らし方に合わせた工事)は10%・上限20万円。AとBは別々に申し込める
工事費の下限A工事、B工事それぞれの経費が10万円(税抜)以上
回数A工事・B工事それぞれ1回まで(過去に受けた区分はもう受けられない)
頼む事業者大田区内に本社がある中小事業者1社。見積書・請求書・領収書をその1社が出す。区外に本社がある会社の区内支店や、区内の会社の区外支店は対象外
予算約1億1,600万円。令和8年10月1日時点で、事前申込で使われる予定の割合は約58%

助成が決まると、本申請から1か月ほどで決定通知が届き、そこから概ね3週間で指定の口座に振り込まれます。申込みは原則として窓口です。

出どころ: 大田区「住宅リフォーム助成事業」(2026年10月5日更新)と「令和8年度 大田区住宅リフォーム助成事業のご案内」(2026年10月1日確認)。

いくら出るか — 標準工事費と10%

助成の額は、次の2つのうち低いほうに10%をかけて決まります。千円未満は切り捨てです。

  • 区の一覧にある工事ごとの「標準工事費」を足した額
  • 見積書の総工事費(対象外の工事も含めた全部の費用・税抜)

マンションの部屋の中で使われそうな工事と、標準工事費を抜き出しました。

区分工事標準工事費
A畳からフローリングへの改修340,000円/箇所
A段差の解消17,000円/㎡
A手すりの設置・改修(トイレ・浴室の中は除く)18,000円/m
A開き戸から引き戸への改修161,000円/箇所
A節水型トイレへの改修302,000円/箇所
A高断熱浴槽への改修1,208,000円/箇所
Aキッチン改修に伴う給排水の工事490,000円/箇所
A洗面台改修に伴う給排水の工事158,000円/箇所
A内壁の工事(珪藻土・漆喰・断熱効果のあるもの)10,000円/㎡
A感震ブレーカー機能付き分電盤への改修127,000円/箇所
B遮音等級の高い床材への改修(L45以上)23,000円/㎡
B部屋を分ける壁の設置293,000円/箇所
Bインターホン(モニター付き)の設置・改修75,000円/箇所

当方の計算で、実際の工事費が標準工事費より高いときの例を出します。キッチン改修に伴う給排水の工事だけなら490,000円の10%で49,000円です。これに洗面台(158,000円)と節水型トイレ(302,000円)を足すと950,000円で、95,000円になります。高断熱浴槽(1,208,000円)まで入れると合計が2,158,000円で、10%は215,800円ですが、上限の20万円で止まります。

実際の工事費のほうが低いときは、そちらが使われます。対象の工事ごとに、見積書と請求書の内訳に単価・数量・金額が書かれていないと、その工事は助成の対象から外れます。

出どころ: 「令和8年度 大田区住宅リフォーム助成事業のご案内」の「助成金額」と「助成対象工事一覧」(7・8ページ)。標準工事費は助成の額を計算するための上限の金額と書かれています。

中古マンションを買う人がつまずく2つの条件

1. 「令和8年1月1日から住んでいる区民」であること

申込む人は、令和8年1月1日から本申請を出す日まで、工事をする家に住民票があり、住み続けている区民であることが条件です。区のQ&Aでは、1月から3月の申請は前年度の1月1日から住んでいることが条件だと書かれています。

2. 購入に伴う工事は対象外

新築・建替え・増築と並んで、「購入に伴う工事」は対象外とされています。用途が住まいであることも条件で、人に貸している部屋(賃貸用の住宅)の工事も外れます。

この2つから、当方の読みをまとめます。子育て世帯でない人が中古マンションを買い、引っ越す前に直す工事は、令和8年度の助成の対象になりません。今年の途中に越してきた人が最初に使えるのは、早くても来年度(令和9年度)の受付になります。区は対象工事や条件を毎年度見直すとしているので、来年度も同じ形で続くかは、そのときの区の案内を確かめてください。

子育て世帯は別の扱い

中学生以下の子どもと同居して扶養している世帯(申込みのときに妊娠中の人がいる世帯も含む)は、区外に住んでいても、本申請までに工事をする家に住民登録すれば対象になります。購入に伴う工事でも構いません。

  • 事前申込のとき: 大田区内の物件の売買契約書(または建物の登記事項証明書)、区外から越す人は世帯全員の住民票、妊娠中の人は母子健康手帳の写し
  • 本申請のとき: 建物の登記事項証明書(発行から1年以内)、住民税の納税証明書または非課税証明書の写しなど

出どころ: 大田区「住宅リフォーム助成事業」の助成要件、「令和8年度 大田区住宅リフォーム助成事業のご案内」3・5ページ、大田区「住宅リフォーム助成事業 Q&A」(2026年5月版)。

買って直すときの順番

  1. 買う前に、管理規約と使用細則を読む: リフォームの申請の仕方、床材の遮音の決まり、工事ができる曜日と時間などが書かれています。売買の仲介会社を通して、契約の前に見せてもらってください。
  2. 区内に本社がある1社に見積りを頼む: 助成を使うなら、見積書・請求書・領収書を同じ1社が出す必要があります。対象工事ごとに単価・数量・金額を分けて書いてもらってください。A工事とB工事を一緒に申し込むときは、見積書もAとBに分けます。
  3. 工事の前の写真を撮る: 工事前の写真が無いと対象になりません。事前申込のときに出します。
  4. 区に事前申込(仮申請)をする: 工事を始める前に出します。区のQ&Aでは、足場を組むのも工事のうちなので、足場の後の申込みは対象にならないとされています。
  5. 管理組合の承認をもらう: 国土交通省のマンション標準管理規約では、共用部分やほかの住戸に影響するおそれのある専有部分の工事は、前もって理事長に申請し、書面(または電磁的方法)で承認を受けることになっています。申請書には設計図・仕様書・工程表を付けます。承認が要らない工事でも、業者の出入りや音などで管理組合が前もって知る必要があるものは、届け出が要ります。
  6. 工事をする: 事前申込のあとに見積書に無い工事を足すことは、原則として認められていません。工事中と工事の後の写真も撮っておきます。
  7. 本申請をする: 工事が終わって支払いを済ませたら、請求書・領収書・写真などを付けて出します。令和9年3月19日(金)午後5時が期限です。

実際のマンションの規約は、標準管理規約と違うことがあります。手続きは、その建物の管理規約と使用細則で確かめてください。

出どころ: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」令和7年改正版 第17条(専有部分の修繕等)。大田区「住宅リフォーム助成事業」の注意事項と Q&A(2026年5月版)。

マンションで直せる所・直せない所

区の案内では、マンションの場合は専有部分(専用使用部分を含む)の工事だけが対象で、前もって管理組合の改修工事の決まりに沿った工事かを確かめるよう書かれています。

窓枠・窓ガラス・玄関扉は、標準管理規約では共用部分のうち各住戸に付いている開口部として扱われます。防犯・防音・断熱のための改良は、管理組合が計画修繕として行うのが基本で、管理組合がすぐにできないときは、理事長の承認を受けて区分所有者が自分の負担で行える、とされています(第22条)。窓を替えたいときは、まず管理組合に聞いてください。

建物全体のための工事は、管理組合の理事長が申し込みます。令和8年度は、分譲マンションの廊下やロビーの照明をLEDにする工事が新しく加わりました(駐車場など建物の外の照明、避難口や誘導灯は対象外)。ほかに、共用部分の固定式宅配ボックス(標準工事費992,000円/箇所)と、アスベストの除去工事も対象です。これらは総会の議事録などが必要になるので、住んでいる人一人ひとりではなく、管理組合の話になります。

出どころ: 「令和8年度 大田区住宅リフォーム助成事業のご案内」1・3・5・8ページ、大田区 Q&A(2026年5月版)、国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」令和7年改正版 第22条。

国や都の制度と一緒に使えるか

  • 区のQ&Aでは、大田区の助成は国・都の補助金と併用できるとしています。国や都がそれを認めるかは、それぞれの窓口で確かめるよう書かれています。
  • 併用しても、助成額以上の自己負担が残ることが条件です。
  • 区のほかの制度(介護保険の住宅改修費、高齢者自立支援住宅改修助成など)と併せて申し込むときは、割合が5%、上限が10万円になります。
  • 区のQ&Aには、国の「先進的窓リノベ事業」と併用するときの例が載っています。国の制度は年度ごとに名前や条件が変わるので、今年度の内容は国の公式の案内で確かめてください。

出どころ: 大田区「住宅リフォーム助成事業 Q&A」(2026年5月版)、「令和8年度 大田区住宅リフォーム助成事業のご案内」2ページ。

問い合わせ先

大田区 住宅・空家相談窓口(建築調整課 住宅政策担当内)。大田区役所7階11番窓口(大田区蒲田五丁目13番14号)、電話03-5744-1343、平日8時30分〜17時です。申込みの書類は、区のホームページから取り出せます。

出どころ: 「令和8年度 大田区住宅リフォーム助成事業のご案内」1ページ。

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