中古マンション購入をする際に、
建替えはどうなりますか?①
購入する前か、そんなこと考えますと
聞かれそうですが、
都内では築古いマンションは
かなりあり、場所が良かったりすると、
検討する方も多いはずなので、
お話しします。
旧耐震建物は、
何棟ぐらいあると思いますか?
旧々耐震基準 約7万戸
※1971(昭和46)年改正以前の基準。
1968(昭和43)年、十勝沖地震で多
くの被害が発生したことを踏まえ、
1971(昭和46)年改正により鉄筋
コンクリート造の柱帯筋の基準を強化。
旧耐震基準 約36万戸
※ 1981(昭和56)年改正以前の基準。
中地震(震度5程度)に耐えうる設計
基準となっているが、
大地震(震度6強~7程度)へは未対応。
合計で43万戸あるんです。
かなりの棟数です。
全国的に、
これだけの棟数があるのですが、
実際建替えする時期や目安は、
長期修繕計画表の計画通りに
すすむとは限りません。
管理組合が、理事会で議題に上げて
今後どうするか
綿密に話し合いしていきます。
一般的には、築年数50年ぐらいが
目安と言われておりますが
50年経過しても、
建替えをしているマンションは、
そう多くありません。
※法的な耐用年数は47年となります。
※国土交通省 HPより
所有者の4/5以上の賛成がないと
建替えはできませんし、
高齢者や建替え費用の持出し、
引っ越しを二回行うなど、
スムーズに建替えが行われるのは
稀なんです。
実際、現場に案内や下見に行く際も、
年配の方々が結構多いです。
中には、車いすの方、杖を持って
歩いている高齢者を見かけます。
初代からいる住人と新規で来た人が
混在してますから、スムーズに
話がすすまないのも無理はありません。
東京23区内の旧々耐震・旧耐震、
合計1万89棟あります。
23区以外は、1803棟です。
東京都合計:11892棟
全国で平成26年まで建替えが202棟、
東京都が117棟の約6割の建替えを実施。
という事は、11892棟中117棟、
なんと0.9%しか建替えしてないんです。
1%切るって、
ほとんど建替えしてないという事です。
建替えしてるほうが、
奇跡なのかもしれませんね。
そんな確率で、
建替えをしたマンションは、
まずその先頭に立ったと思われる
理事長を褒めて上げたいです。
住人の人数が多ければ多いほど、
労力と時間をかけたでしょうから、
あっぱれという言葉をかけてあげたいです。
後から入居した方も、
築浅のマンションを
購入できることになるのですから、
将来的にも資産性が保てます。
先代の方に、感謝ですね。
自発的に建替えや
耐震診断などをされている
マンションは問題ありませんが
東京都が実施した
実態調査の結果が
こんな感じのデータになってます。
耐震診断実施率 17.1%
耐震改修実施率 5.9%
※平成25年 3月データ
約83%のマンションは、
耐震診断を実施してない、
さらに、改修実施率は
約6%の現状です。
築年数が古いマンションは、
修繕積立金の計画が、
甘かったのでしょうね。
これぐらいで、
大丈夫だろうという設定で、
年数が経過してしまい、
積立金が足りない状況に陥ってます。
足りないという事が分かれば、
毎月の積立金を
値上げする方向になりますが、
今の生活が手一杯、年金暮らしで払えない、
など厳しい状況の人も多いので、
時間をかけて住人同士で話し合いを
していく事になります。
それでも、
「このマンション、ぼっろぼろだな」
という建物は、
都内ではほとんど見かけません。
管理組合(住人)の意識が高い為か、
メンテナンスがされている物件が多いです。
昭和築の建物は、ご自身の目で
確かめることが、一番です。
安心感がでれば、納得することでしょう。
そんな、東京都は、建替え以前に
耐震診断がすすまない状況も
考慮してのことですが、
容積率緩和案を発表しましたので
今後、建替えがスムーズになりそうです。
次回お話します。